ストレスチェック制度の義務化範囲拡大
記事作成日:2026/01/30
令和7年5月14日に、「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が成立しました。
その中で、当分の間努力義務とされていた、従業員数50人未満の事業場についてのストレスチェックの実施についても、義務付ける方針を固めたのです。
今回は、労働安全衛生法の改正によるストレスチェック制度の義務化範囲拡大について解説していきます。
※本記事は2026年1月30日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 従業員50人未満でストレスチェック未実施の中小企業の経営者
☑ 義務化に向けた準備を進めたい人事・労務担当者
☑ 職場のメンタルヘルス対策を強化したい総務責任者
今回の改正労働安全衛生法の施行期日は令和8年4月1日ですが、ストレスチェック制度の義務化の範囲拡大に関しては公布後3年以内に政令で定める日とされています。
すなわち、令和10年度前後には、従業員数50人未満のすべての事業場で、ストレスチェックが義務化されるのです。
ストレスチェック制度とは、労働安全衛生法に定められた事業者に義務付けられたメンタルヘルス対策です。
ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルス不調に対する一次予防を目的としていて、労働者のストレスへの気づきを促したり、ストレスの原因である職場環境の改善につなげることができます。
具体的には、医師や保健師などが実施者となり、労働者本人が厚生労働省推奨の「職業性ストレス簡易調査票」などを用いて自身の心理的な負担を把握するセルフチェック形式の検査です。
この検査を、常時使用する労働者に対して年1回実施します。
ストレスチェックの結果は、外部委託先の実施者から必ず本人に直接通知され、事業者が実施結果を取得することはできません。
実施結果が高ストレス者と判断された労働者は、面接指導対象者となります。
事業者は、面接指導対象者から申出があった場合に医師と面接指導の日程調整を行い、医師の面接指導を実施しなければなりません。
また、職場環境改善については、事業場規模に関わらず事業者の努力義務とされています。
事業者は、面接指導結果に基づいて就業上の措置が必要かどうかや講ずべき措置について、面接指導を実施した医師などから意見を聴取しなければなりません。
このストレスチェック制度は、平成27年12月1日から業種などにかかわりなく従業員50人以上のすべての事業場で実施が義務化されました。
従業員数50人未満のすべての事業場でのストレスチェック制度の実施は、今回の改正が実施されるまでは当分の間努力義務です。
従業員数50人未満のすべての事業場でストレスチェックの義務化に備えて、以下の準備をしておきます。
ストレスチェックが義務化されることを把握して、対象労働者の範囲や社内への周知を行うことが必要です。
ストレスチェックを委託する外部機関などを選定し、事業場内からも実務担当者を選任します。
従業員数50人未満の小規模事業場であれば、地域産業保健センターで労働安全衛生法で定められた保健指導などの産業保健サービスを無料で利用できます。
例えば、ストレスチェックで高ストレスと判定された労働者への医師による面接指導が無料です。
現在ストレスチェックに対して利用できる助成金は、団体経由産業保健活動推進助成金になります。
この助成金は、事業主団体などが傘下の中小企業にストレスチェックの後の職場環境改善支援などの産業保健サービスを提供した場合に、活動費用を助成する制度です。
具体的には、ストレスチェックの実施支援、ストレスチェック後の職場環境改善支援、面接指導の実施などに助成します。
令和7年5月の労働安全衛生法の改正により、現在努力義務である従業員数50人未満のすべての事業場でのストレスチェック制度が、義務化される予定です。
ストレスチェック制度について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。