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企業が労働者を雇用する時の労働条件の明示について

企業が労働者を雇用する時の労働条件の明示について


記事作成日:2023/11/17

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企業などが労働者を雇用する際には、労働条件を明示しなければなりません。
労働条件を明示しないで労働契約を締結した場合、後々大きなトラブルに発展する可能性があるのです。
このようなトラブルを未然に防ぎ労働者を保護するために、労働基準法の第15条では労働条件の明示義務が定義されています。
今回は、トラブルを防ぐためにどのような労働条件を明示しなければならなく、どのようなことであれば明示しなくてもよいのかについて、詳しく解説していきます。

1.労働条件の明示事項

労働条件の明示については労働基準法第15条第1項に、「労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定義されています。
この明示しなければならない労働条件は、絶対的明示事項と相対的明示事項の2種類に分かれます。
絶対的明示事項とは、労働契約を締結する際に労働者に対して必ず明示しなければならない事項のことです。
一方、相対的明示事項とは、企業などがこれらの労働条件を制度として定めている場合には必ず明示しなければならない事項です。

2.絶対的明示事項

労働契約を締結する際に、労働者に対して必ず明示しなければならない絶対的明示事項は以下になります。

・労働契約の期間に関する事項
・期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
・就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
・始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
・賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
・退職に関する事項(解雇の事由を含む)

絶対的明示事項は、昇給に関する事項を除いて書面で明示しなければはりません。
ただし、労働者が希望した場合のみ、以下の方法による明示も認められています。

・FAXによる明示
・EメールなどのWebメールサービスによる明示
・LINEなどのSNSメッセージ機能による明示

3.相対的明示事項

労働契約を締結する際に、労働条件を制度として定めている場合に必ず明示しなければならない相対的明示事項は以下になります。

・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
・臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
・労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
・安全及び衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰及び制裁に関する事項
・休職に関する事項

相対的明示事項は、書面による交付でなく口頭による明示でもよいとされています。
しかし、口頭による明示では、言った言わないによるトラブルになることも多いです。
そのため、相対的明示事項であったとしても、できる限り書面による交付にて明示するのがよいでしょう。
また、相対的明示事項は、よく勘違いされるのですが明示しなくてもよい事項ではないため注意が必要です。

まとめ

このように、労働契約を締結する場合、一定の事項について労働者に対して労働条件を明示しなければなりません。
また、明示した労働条件と実際の労働条件が異なる場合は、 労働者は即時に労働契約を解除することができると労働基準法に定義されています。
この定義に違反した場合には、30万円以下の罰金に処される可能性がありますので注意が必要です。
労働者を雇用に関しての労働契約などについては、いろいろと悩まれることも多いかと思います。
労働契約などに悩まれることがありましたら、是非当事務所にご相談ください。

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