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130万円の壁、扶養の壁

130万円の壁、扶養の壁


記事作成日:2023/11/30 / 最終更新日:2025/9/17

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厚生年金保険と健康保険の社会保険では、被保険者の配偶者などで一定の収入以下の方は、社会保険の被扶養者として社会保険料の負担義務はありません。
そのため、被扶養者の方が一定以上働いて扶養から外れた場合には、被扶養者の方が働いている会社の厚生年金保険、健康保険に加入することになります。
また、扶養から外れた被扶養者の方が社会保険の加入条件を満たしていない場合には、国民年金や国民健康保険に加入しなければなりません。
このように、パートなどで働いている社会保険の被扶養者の方の収入が増えて一定以上になった場合には、社会保険料の負担が発生します。
そのため、社会保険の被扶養者でいる場合よりも、手取り収入が少なくなる可能性があるのです。
この扶養から外れて社会保険料を支払わなければならなくなる収入基準のことを、年収の壁(130万円の壁、106万円の壁)などと呼ばれています。
今回は、扶養を外れて厚生年金保険、健康保険の被保険者になる社会保険上の年収の壁について、解説していきます。
※本記事は2023年11月30日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

今回の記事の3行要約

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  • 社会保険の被扶養者は年収130万円(60歳以上は180万円)未満が条件で、この基準を超えると社会保険料の負担が発生する。
  • 従業員101人以上の特定適用事業所では月額88,000円(年収約106万円)以上で社会保険加入となる「106万円の壁」も存在する。
  • 年収の壁を越えると社会保険料負担により手取り収入が減少する可能性があるため、多くの方が就業調整を行っている。

この記事は、こんな方におすすめです。

☑ パート・アルバイトで扶養範囲内での就業を検討している働く配偶者の方
☑ 従業員の社会保険加入条件を正確に把握したい事業主・人事担当者
☑ 年収の壁問題への対応策や助成金活用を検討したい企業経営者



1.社会保険の被扶養者

厚生年金保険と健康保険の社会保険の被扶養者は、厚生年金保険料と健康保険料を負担する必要はありません。
また、被扶養者の病気、けが、死亡、出産について、健康保険の給付を受給することができます。
被扶養者になるには、「被扶養者の範囲」と「被扶養者の収入要件」の両方を満たすことが必要です。
この内、被扶養者の範囲は、被保険者の3親等内の親族と定められています。
また、その中でも被保険者と同一世帯に属していなくてもよい親族と、同一世帯に属していることが条件の親族とに分かれます。
一方、被扶養者の収入要件は、以下の条件を満たすことが必要です。

(1)被保険者と同一世帯に属している場合

年間収入が130万円(60歳以上または障害年金受給者などの場合は180万円)未満であって、被保険者の年間収入の1/2未満であること

(2)被保険者と同一世帯に属していない場合

年間収入が130万円(60歳以上または障害年金受給者などの場合は180万円)未満であって、被保険者の援助による仕送り額よりも少ないこと

2.社会保険の被保険者

厚生年金保険と健康保険の社会保険は、以下の条件を満たした場合に被保険者になります。

(1)適用事業所に常用的に使用される従業員

社会保険の適用事業所に常用的に使用される従業員は、国籍、性別、年金の受給の有無にかかわらず社会保険の被保険者です。

パートやアルバイトであっても、適用事業所に常用的に使用されていれば被保険者になります。

(2)パートやアルバイトなどの短時間労働者

社会保険の適用事業所に勤務するパートやアルバイトなどの短時間労働者は、以下の条件を満たした場合には社会保険の被保険者になります。

ア.1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所の同様の業務に従事している常用雇用者の4分の3以上であること

イ.社会保険の特定適用事業所などに勤務していて1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が常用雇用者の4分の3未満の場合は、以下のすべての条件を満たすこと

・週の所定労働時間が20時間以上であること
・賃金の月額が88,000円以上であること
・雇用期間が2か月を超えて見込まれること
・学生でないこと

特定適用事業所とは、1年のうち6か月以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が101人以上であることが見込まれる事業所のことです。
また、賃金の月額が88,000円以上は、年収に直すと約106万円です。

3.106万円の壁と130万円の壁

パートやアルバイトなどの短時間労働者である社会保険の被扶養者は、自身の年間が増えて一定の条件を満たすと扶養から外れて社会保険の被保険者になります。
社会保険の被保険者になると、今まで支払っていなかった厚生年金保険料と健康保険料を事業主と折半して支払わなければなりません。
この社会保険料を支払わなければならなくなる収入の境界線のことを、106万円の壁と130万円の壁などの年収の壁と呼ばれています。

106万円の壁とは、従業員101人以上の特定適用事業所に勤務するパートやアルバイトなどの短時間労働者の方が、賃金の月額が88,000円(年収約106万円)以上になった場合の壁のことです。
130万円の壁とは、上記以外の方が年間収入が130万円以上になって社会保険の被扶養者条件を満たさなくなる壁のことです。
この年収の壁を越えたパートやアルバイトなどの短時間労働者の方は、社会保険に加入することになります。

まとめ

このように、社会保険の被扶養者の方の収入が106万円の壁や130万円の壁を越えた場合には、社会保険料または国民年金保険料、国民健康保険料の支払義務が発生します。

保険料の負担を避け扶養から外れないようにするために、多くの方が就業調整をせざるを得ないのが現実です。
この年収の壁を意識しないで働くことができる環境を構築することが、人手不足の解消に繋がります。
そのため、厚生労働相は、2023年10月より年収の壁対策のために助成金などの対策を始めました。
年収の壁問題や助成金について詳しく知りたい場合には、是非当事務所にご相談ください。


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よくある質問

A. 130万円の判定は「今後1年間の見込み収入」で判断されます。過去の収入ではなく、現時点から将来に向かって1年間でどれくらいの収入が見込まれるかが基準となります。
例えば、月収が11万円を継続的に超える状態(11万円×12ヶ月=132万円)になった場合、その時点で扶養から外れる必要があります。一時的な繁忙期による収入増加であれば、年間トータルで130万円未満に収まる見込みであることを説明できれば、扶養を継続できる場合もあります。
ただし、健康保険組合によって判定基準が異なる場合があるため、加入している健康保険組合に確認することをお勧めします。
A. 2024年10月から特定適用事業所の範囲が「従業員数51人以上」に拡大されました。これにより、以下のすべての条件を満たす場合、年収106万円(月額88,000円)以上で社会保険加入が必要となります:
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が88,000円以上
・雇用期間が2か月を超える見込み
・学生でないこと

社会保険に加入すると保険料負担が発生しますが、一方で以下のメリットもあります:
・将来の厚生年金額が増加 ・傷病手当金や出産手当金の受給資格 ・障害年金・遺族年金の保障充実

政府の「年収の壁・支援強化パッケージ」により、手取り収入が減らないよう企業が手当等を支給した場合の助成金制度もありますので、勤務先にご相談されることをお勧めします。
A. 社会保険の被扶養者認定における収入には、パート収入だけでなく、副業による収入も含まれます。具体的には以下のような収入がすべて合算されます:
・給与収入(パート・アルバイト)
・事業所得(個人事業による収入)
・不動産所得
・雑所得(フリマアプリ、クラウドソーシング等)
・失業給付(60歳未満は基本手当日額3,612円以上、60歳以上は5,000円以上の場合)
ただし、副業が個人事業の場合、収入から必要経費を差し引いた「所得」で判定される場合と、経費を認めず「収入」で判定される場合があり、健康保険組合により取り扱いが異なります。
また、副業の内容や規模によっては、継続的・安定的な収入とみなされ、金額に関わらず扶養から外れる可能性もあります。副業を始める前に、必ず加入している健康保険組合の扶養認定基準を確認することが重要です。

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