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健康保険料の給与計算について

健康保険料の給与計算について


記事作成日:2024/2/29 / 最終更新日:2026/8/31

健康保険料の給与計算について

健康保険料の給与計算について

健康保険とは、健康保険の被保険者や被扶養者が病気やけがなどで医療が必要な場合に、必要な給付を受けられるための公的医療保険制度です。
健康保険の適用事業所の事業主は、被保険者の毎月の給与と賞与から事業主と折半した健康保険料を天引きする必要があります。

今回は、健康保険料の給与計算についてわかりやすく解説していきます。
※本記事は2024年2月29日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

今回の記事の3行要約

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  • 健康保険料は標準報酬月額(1〜50等級)×健康保険料率で計算し、事業主と被保険者が折半して負担する。
  • 賞与時は標準賞与額(1,000円未満切捨て)×健康保険料率で計算し、同じく労使折半となる。
  • 健康保険料は日割り計算ができず、定時決定による改定は毎年9月から適用される。

この記事は、こんな方におすすめです。

☑ 健康保険料の控除額の計算方法を確認したい給与計算担当者
☑ 定時決定や随時改定のタイミングを把握したい人事・労務担当者
☑ 社会保険料の負担額を見積もりたい経営者・個人事業主



1.健康保険の被保険者の範囲

健康保険の被保険者は、労働条件が一定の基準を満たさない方を除いた健康保険の適用事業所に勤務する労働者が対象です。
健康保険の被保険者になるには、国籍、性別、年齢の制限はありません。
健康保険の適用事業所に常時雇用される労働者や、パートやアルバイトなどの短時間労働者でも、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上であれば健康保険の被保険者になります。
また、常時雇用者の4分の3未満の方であっても、厚生年金保険の被保険者の総数が常時100人を超える健康保険の適用事業所に勤務していて以下の条件をすべて満たした方も健康保険の被保険者です。

(1)1週の所定労働時間が20時間以上であること
(2)賃金の月額が88,000円以上であること
(3)大学、高等学校、専修学校、各種学校などの学生でないこと

2.健康保険料の基準になる標準報酬月額と標準賞与額

健康保険の被保険者は、毎月の給与時と賞与時に事業主と折半で健康保険料を支払わなければなりません。
健康保険料は、それぞれの被保険者によって金額が異なります。

毎月の給与時の健康保険料は、被保険者の給与などの報酬月額を一定の幅で区分された「標準報酬月額」により決定されます。
現状、健康保険の標準報酬月額は、1等級(5万8千円)から50等級(139万円)までの区分です。
また、賞与時の健康保険料は、被保険者の賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた「標準賞与額」により決定されます。

3.毎月の健康保険料の給与計算

毎月の健康保険料額の算出方法は、標準報酬月額×健康保険料率です。
この計算式により算出された毎月の健康保険料を、事業主と被保険者が折半します。

健康保険料率は、健康保険の保険者である全国健康保険協会(協会けんぽ)と健康保険組合ごとに異なります。
また、協会けんぽの保険料率は、都道府県ごとに異なるのです。

4.賞与時の健康保険料の給与計算

賞与時の健康保険料額の算出方法は、標準賞与額×健康保険料率です。
この計算式により算出された賞与時の健康保険料を、事業主と被保険者が折半します。
健康保険料率は、協会けんぽと健康保険組合ごとに異なります。

5.健康保険料を控除する時の注意点

給与や賞与から健康保険料を控除する時は、以下の事に注意しなければなりません。

(1)健康保険料は日割り計算できない

毎月の健康保険は1か月単位で控除されるため、日割りで健康保険料を控除することはできません。

(2)定時決定による健康保険料の改定は9月から

毎年の定時決定による標準報酬月額は、原則9月から翌年8月まで適用されます。
そのため、健康保険料の改定が行われるのは、毎年9月です。
また、昇給や降給などにより賃金が大きく変動した場合の随時改定は、大きく変動した月から数えて4か月目に標準報酬月額が変更されて健康保険料が改定されます。

(3)産前産後休業期間中や育児休業等期間中の健康保険料免除

産前産後休業期間中や育児休業等期間中は、被保険者と事業主の両方の健康保険料が免除されます。
ただし、健康保険料が免除されるためには、日本年金機構へ届け出ることが必要です。

(4)給与の支払いがない場合でも健康保険料の控除は必要

病気や入院のため出社することができず給与の支払いがない場合であっても、健康保険料の控除は必要です。

まとめ

このように、給与計算をする場合には、健康保険料などの控除についても注意する必要があります。

給与計算について疑問等があれば、是非一度当事務所にご相談ください。


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よくある質問

A. 2024年(令和6年)10月から、企業規模要件は厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上の企業等(特定適用事業所)に拡大されています。2022年10月から2024年9月までは101人以上(100人超)の企業等が対象でした。
このほか、短時間労働者が加入対象となるには、週の所定労働時間が20時間以上であること、所定内賃金が月額8万8,000円以上であること、2か月を超えて雇用される見込みがあること、学生でないことといった要件を満たす必要があるとされています(2026年8月時点)。
ただし、このうち賃金要件(所定内賃金が月額8万8,000円以上)については、令和8年(2026年)10月に撤廃される予定とされています。撤廃されると、週の所定労働時間が20時間以上であるかどうかが加入の大きな判断材料になります。
さらに、令和7年(2025年)6月に成立した年金制度改正法により、企業規模要件は2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上の企業等へ段階的に拡大され、2035年10月に撤廃されることとされています。
A. 健康保険料は日割り計算をせず、月単位で計算します。原則として、資格を取得した日の属する月から、資格を喪失した日の属する月の前月までの分を納めることになります。
資格喪失日は退職日の翌日となるため、月の途中で退職した場合、その事業所での健康保険料はその月の分は発生しません。一方、月末に退職した場合は資格喪失日が翌月1日となるため、退職した月の保険料も発生します。なお、退職後に国民健康保険や任意継続被保険者、再就職先の健康保険に加入した場合は、その加入先で別途保険料が発生します。
また、資格を取得した月にその資格を喪失した場合(同月得喪)は、在籍日数にかかわらず1か月分の保険料が発生するとされています。厚生年金保険料については、同じ月に他の年金制度の被保険者となったときに納付が不要となる取扱いがありますが、健康保険料の取扱いは加入先や資格の重複状況によって異なりますので、加入している保険者にご確認ください。
A. 産前産後休業期間中については、その月の末日が休業期間中であれば、その月に支給された賞与にかかる保険料も免除の対象となります。
一方、育児休業等については、令和4年(2022年)10月1日以降に開始したものから取扱いが変わり、賞与にかかる保険料が免除されるのは、賞与を支払った月の末日を含んだ連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合に限られるとされています。1か月を超えるかどうかは暦日で判断し、土日等の休日も期間に含まれます。
なお、毎月の保険料については、育児休業等の開始日の属する月と終了日の翌日が属する月が同一である場合でも、開始日が含まれる月に14日以上取得したときは免除されるという要件が同時に設けられています。
いずれの場合も、免除を受けるには事業主が年金事務所または加入している健康保険組合へ届け出ることが必要とされています。

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