社会保険、労働保険手続・労務相談・助成金申請・給与計算など幅広く対応 | 兵庫県神戸市中央区の「トラスト社会保険労務士法人」

受付時間【9:00~18:00】※土日祝除く

TEL:078-325-3130

ARTICLE

給与計算の欠勤控除について

給与計算の欠勤控除について


記事作成日:2024/5/31

画像

従業員が欠勤した場合、欠勤した分に当たる金額を給与から差し引くことを欠勤控除といいます。
欠勤控除は、欠勤だけでなく遅刻や早退にも適用されるケースがありますが、何をもって欠勤控除にするかは会社によっても異なるのです。

今回は、この欠勤控除の考え方や、欠勤控除の範囲や、計算方法などについて解説していきます。

1.欠勤控除の考え方

欠勤控除とは、従業員が欠勤や遅刻・早退などで労働しなかった日や時間分の賃金を給与から控除することです。
この欠勤控除の考え方は、「ノーワークノーペイの原則」にもとづくものです。
ノーワークノーペイの原則とは、従業員が欠勤や遅刻・早退などで労働をしなかった場合には、会社がその分の賃金の支払義務は発生しないという原則になります。

2.欠勤控除のルール

欠勤控除は、法律で定められたルールではないため、どのようなケースで欠勤控除を行うかなどは会社ごとに決められます。
しかし、欠勤控除の適用ケースや、欠勤控除の計算方法などの欠勤控除に関するルールは、就業規則や給与規程に定めておく必要があります。
就業規則や給与規程に起算しないで欠勤控除を行えば、トラブルに発展する可能性がありますので注意が必要です。

3.欠勤控除にならないケース

従業員が欠勤や遅刻・早退などで労働しなかった場合には欠勤控除の対象になりますが、休暇などをしても欠勤控除にならないケースもあります。
例えば、労働基準法で定められた有給休暇の取得は、欠勤控除にしてはいけません。
また、従業員の意志ではなく会社都合による休暇の場合は、欠勤控除にはなりません。
使用者の責めに帰すべき事由により従業員が休暇を取得しなければならない場合は、労働基準法に基づく「休業手当」の支払いが必要です。
他にも慶弔休暇やリフレッシュ休暇などの会社独自の休暇制度を利用した場合も、欠勤控除にしてはいけません。

4.欠勤控除の算出方法

給与計算を行う上での欠勤控除の算出方法は、会社によってそれぞれです。
一般的には、以下の計算式により算出されます。

(1)月平均の所定労働日数を用いた欠勤控除の算出

月平均の所定労働日数=年間所定労働日数÷12
欠勤控除額=月給額÷月平均の所定労働日数×欠勤日数

(2)出勤日数を用いた欠勤控除の算出

実際の支給額=月給額÷月平均の所定労働日数×出勤日数
欠勤控除額=月給額-実際の支給額

(3)該当月の所定労働日数を用いた欠勤控除の算出

欠勤控除額=月給額÷該当月の所定労働日数×欠勤日数

(4)該当月の暦日数を用いた欠勤控除の算出

欠勤控除額=月給額÷該当月の暦日数×欠勤日数

5.欠勤控除の注意点

欠勤控除を行う場合、トラブルや法律違反にならないように以下のことを注意しなければなりません。

(1)残業代の取り扱い

欠勤や遅刻・早退などで欠勤控除を行ったとしても、残業代が発生した場合には残業代は支払わなければなりません。
ただし、みなし残業代に関しては、就業規則などに定めておけば、欠勤控除の対象とすることができます。
しかし、みなし残業代を欠勤控除の対象とすれば、複雑な給与計算が発生するため注意が必要です。

(2)最低賃金を下回らないこと

給与計算を行う上で、所定労働日数が多い月に欠勤控除の日数が多い場合には、最低賃金を下回る可能性があります。
欠勤控除後の賃金が、最低賃金を下回らないようにすることが大切です。

(3)税金の取り扱い

所得税などの税金を算出する場合には、給与の総支給額から欠勤控除をした後に、所得税などの計算をする必要があります。

まとめ

このように、従業員が欠勤や遅刻・早退などをした場合は、欠勤控除をするケースがあります。
欠勤控除を考慮した場合には、給与計算が複雑化することがあります。

給与計算についてわからないことがあれば、是非一度当事務所にご相談ください。

給与計算、就業規則、社会保険、労働社会保険など労務管理事務について
トラスト社会保険労務士法人へのご依頼・ご相談は