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育児休業と育児休業給付金

育児休業と育児休業給付金


記事作成日:2024/6/14

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従業員が育児休業を取得する場合、この期間の従業員への給与の支給は無給でも問題ありません。
育児休業中の給与の支給が無給の場合には、雇用保険から被保険者に育児休業給付金が支給される可能性があります。

今回は、育児休業と育児休業給付金について解説していきます。

1.育児休業

育児休業とは、育児・介護休業法に規定された原則1歳未満の子を養育するための休業制度です。
また、保育所に入所待ちなどの一定の条件を満たす場合の育児休業は、最長で子が2歳になるまで延長することができます。
育児休業は、父親と母親がそれぞれの取得が可能で、子が1歳になるまでの育児休業は、分割して2回まで取得することが可能です。
従業員が育児休業の申し出をした場合、会社側は休業の申し出を拒むことはできません。

2.産後パパ育休

2022年10月からの育児・介護休業法の改正により、出生時育児休業(産後パパ育休)が創設されています。
産後パパ育休とは、男性でも仕事と育児を両立できるように、産後8週間以内に4週間(28日)を限度に2回に分けて取得できる休業です。
1歳までの育児休業とは、別に取得できる休業制度です。
労使協定を締結している場合は、労働者が合意した範囲で休業中に就業することができます。

3.育児休業給付金の概要

育児休業期間中の給与の支給については、給与の支給義務はありません。
しかし、育児休業期間中に無給であれば、従業員にとっては生活をしていくのに大きな問題です。
そのため、育児休業期間中の一定の条件を満たした従業員には、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
また、産後パパ育休中に一定の条件を満たした従業員には、雇用保険から出生時育児休業給付金が支給されます。

4.育児休業給付金の支給要件

育児休業給付金は、以下の要件をすべて満たした場合に支給されます。 

・育児休業を取得した雇用保険の被扶養者であること
・育児休業の開始日までの2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)月が12回以上あること
・一支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること

期間を定めて雇用される従業員の場合は、以下の要件も必要です。

・養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

5.育児休業給付金の支給額

育児休業給付金の支給額は、以下の計算式により計算できます。
育児休業給付金の支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から181日目以降は50%)
育児休業給付金の支給額には、上限額、下限額があります。
令和6年7月31 日までの休業開始時賃金日額の上限額は15,430円、下限額は2,746円です。
また、育児休業期間事業主から支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%(育児休業の開始から181日目以降は30%)超〜80%未満の場合は、以下の計算式により計算できます。
育児休業給付金の支給額=休業開始時賃金日額×休業期間の日数×80%-賃金額

6.出生時育児休業給付金の支給要件

出生時育児休業給付金は、以下の要件をすべて満たした場合に支給されます。 

・子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間以内の期間を定めて、子を養育するための産後パパ育休を取得した雇用保険の被保険者であること
・育児休業の開始日までの2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)月が12回以上あること
・休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること

期間を定めて雇用される従業員の場合は、以下の要件も必要です。

・養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと
・子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

7.出生時育児休業給付金の支給額

出生時育児休業給付金の支給額は、以下の計算式により計算できます。
出生時育児休業給付金の支給額=休業開始時賃金日額×休業期間の日数(28日が上限)× 67%
育児休業給付金の支給額には上限額があり、令和6年7月31 日までの休業開始時賃金日額の上限額は15,430円です。
また、出生時育児休業期間に事業主から支払われた賃金が「休業開始時賃金日額×休業期間の日数」の13%超〜80%未満の場合は、以下の計算式により計算できます。
出生時育児休業給付金の支給額=休業開始時賃金日額×休業期間の日数×80%-賃金額

まとめ

育児休業給付金は、男女ともに育児休業を取得しやすくするための給付金ですが、さらに取得率を上げるために、男女で育児休業を取得した場合に給付率を手取り10割にする案が検討されています。
育児休業を取得する従業員に対する労務管理について疑問点等がございましたら、是非一度当事務所にご相談ください。

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