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給与計算や年末調整における定額減税

給与計算や年末調整における定額減税


記事作成日:2024/7/1

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2024年(令和6年)6月より、定額減税が実施されています。
定額減税は、令和6年度税制改正大綱に基づいて実施される令和6年一回限りの減税のことです。
定額減税は、デフレ脱却や昨今の物価高による国民の負担増に対応することを目的としています。

今回は、給与計算や年末調整における定額減税の実施方法について解説していきます。

1.定額減税の減税額

定額減税には、所得税の定額減税と個人住民税の定額減税があります。
所得税の定額減税は、納税者と配偶者を含む扶養親族1人につき定額減税3万円が、令和6年分の所得税額から控除されます。
例えば、納税者と扶養親族が3人の家族の場合、3万円×4人で計12万円が令和6年分の所得税額から控除されるのです。

個人住民税の定額減税は、納税者と配偶者を含む扶養親族1人につき定額減税1万円が、令和6年度分の個人住民税から控除されます。
例えば、納税者と扶養親族が3人の家族の場合、1万円×4人で計4万円が令和6年度分の個人住民税から控除されるのです。

2.所得税の定額減税の対象者

令和6年分の所得税に対する定額減税を受けることができる対象者は、以下の条件を満たす必要があります。

・国内居住者であること
・令和6年分の所得税の納税義務者の内、所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下であること(給与収入のみの場合は2,000万円以下であること、)

3.個人住民税の定額減税の対象者

令和6年度分の個人住民税に対する定額減税を受けることができる対象者は、以下の条件を満たす必要があります。

・国内居住者であること
・ 令和6年度の住民税の納税義務者の内、2023年分の住民税に係る合計所得金額が1,805万円以下であること(給与収入のみの場合は2,000万円以下であること、)

令和6年度分の住民税が非課税の場合や、均等割および森林環境税のみ課税の場合は定額減税の対象にはなりませんので注意が必要です。

4.給与所得者の所得税に対する定額減税の実施方法

会社員などの給与所得者の所得税に対する定額減税は、給与計算時に行われる「月次減税事務」と、年末調整時に行われる「年調減税事務」の2種類の事務により行われます。
所得税の徴収は、給与や賞与時に源泉徴収という形で一定額の所得税を天引きして、年末調整にて確定した所得税の過不足を精算する方法です。
月次減税事務とは、令和6年6月1⽇以後に最初の給与や賞与で天引きされる源泉徴収税額から、6月時点の扶養状況に基づいた定額減税額を控除する事務のことです。
最初の給与や賞与で控除しきれない定額減税額は、次の給与や賞与から天引きされる源泉徴収額から順次控除していきます。

年調減税事務とは、以下の手順で行う事務のことです。
まずは、年末調整時点の扶養状況に基づいた従業員一人ひとりの定額減税額(年調減税額)を算出します。
次に、年末調整により算出された所得税額(年調所得税額)から、算出された年調減税額を控除して、控除後の所得税額から復興特別所得税を含めた年調年税額を算出します。
その後、年調年税額と、源泉徴収税額との差額の精算を行う手順です。

5.給与所得者の個人住民税に対する定額減税の実施方法

給与所得者の個人住民税に対する定額減税の実施方法ですが、所得税に対する定額減税の実施方法とは異なります。
令和6年6月から令和7年5月までに支払う1年間の住民税から定額減税額を控除して、定額減税控除後の住民税額を算出します。
令和6年6月分の住民税は特別徴収されず、算出された定額減税による控除後の住民税額を、令和6年7月から令和7年5月までの11か月間で均等に分割して天引きするのです。

まとめ

このように、令和6年は定額減税が実施されるため、給与計算や年末調整の事務が例年とは異なります。
定額減税に対する事務について疑問点等がございましたら、是非一度当事務所にご相談ください。

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