従業員が会社を退職する際の離職証明書について
記事作成日:2024/9/17
従業員が会社を退職する場合、健康保険・厚生年金保険の社会保険と雇用保険の被保険者の資格を喪失します。
社会保険の場合は、資格の喪失日から5日以内に、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」と、本人や扶養家族分の「健康保険証」を事業所管轄の年金事務所へ提出しなければいけません。
また、雇用保険の場合は、退職日の翌々日から10日以内に、事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書(離職証明書)」を提出する必要があります。
ただし、従業員が失業手当(雇用保険の基本手当)の受給を希望しない場合は、離職証明書をハローワークには提出しません。
すなわち、離職証明書は、従業員が失業手当を受給する場合に作成しなければいけない書類なのです。
今回は、従業員が会社を退職する際の離職証明書について解説していきます。
退職した従業員が失業手当を受給するためには、ハローワークで求職の申し込みをして、会社から受け取った離職票(雇用保険被保険者離職票)を提出しなければなりません。
その後、ハローワークで失業状態にあるかどうかの確認を受け、失業認定日に失業認定申告書・雇用保険受給資格者証を提出します。
失業の認定を受けた場合、失業の認定を受けた日数分の失業手当が、退職した従業員の預金口座へ振り込まれる仕組みです。
退職した従業員が失業手当の手続きをするためには、離職票という書類が必要です。
離職票はハローワークにて発行してもらうものであり、発行してもらうためには会社が離職証明書を作成しなければなりません。
離職証明書とは、3枚つづりの複写式の書類です。
3枚つづりは、それぞれ事業主控え、ハローワーク提出用、退職者用の離職票-2になります。
離職証明書は、3枚つづりの複写式の専門用紙であるため、Webでダウンロードすることはできません。
そのため、離職証明書は、基本的にハローワークから取得して記載、提出しますが、電子申請(e-Gov)で提出することもできます。
離職証明書といっしょに提出する書類
・離職証明書に記載した期間の賃金支給の内訳と交通費が分かるための賃金台帳、給与明細書
・離職証明書に記載した期間の出勤簿、タイムカード
・自己都合退職の場合は、退職願、労働者名簿など
・解雇の場合は、解雇通知書、労働者名簿など
・退職勧奨の場合は、退職願、労働者名簿など
・定年退職の場合は、就業規則、再雇用に係る労使協定書など
・契約期間満了の場合は、契約書
退職した従業員が失業手当の受給を希望しない場合は、ハローワークへ離職証明書を提出する必要はありません。
ただし、退職者が59歳以上の場合は、「高年齢雇用継続給付」の手続きをする場合に60歳の時点での賃金証明書を提出しなければなりません。
そのため、退職者が59歳以上の場合は、退職した従業員が失業手当の受給を希望しなくても離職証明書のハローワークへの提出が必要です。
このように、従業員が退職する場合には、雇用保険の被保険者の資格を喪失する手続きをしなければなりません。
従業員が退職する時の手続きについて疑問点などございましたら、是非一度当事務所にご相談ください。