社会保険、雇用保険の加入要件について
記事作成日:2024/12/16
事業主は従業員を雇った場合などには、被保険者要件を満たせば健康保険や厚生年金保険などの社会保険や雇用保険などの加入手続きをしなければなりません。
また、入社時でなくても、被保険者要件を満たした場合には、健康保険や厚生年金保険などの社会保険や雇用保険などの加入手続きをする必要があります。
反対に、被保険者要件を満たさなくなった場合には、資格喪失手続きをしなければなりません。
今回は、健康保険や厚生年金保険の社会保険の加入要件について解説していくとともに、雇用保険の加入要件についても解説していきます。
以下の要件を満たした従業員は、健康保険や厚生年金保険の社会保険の被保険者になります。
・適用事業所に常用的に雇用されている従業員
常用的に使用されていれば、正社員、契約社員、パートアルバイトなどの雇用形態は問いません。
・1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が常勤労働者の4分の3以上の従業員
例えば、常勤労働者の1か月の所定労働日数が20日で、1週間の所定労働時間が40時間である場合、以下の従業員は契約社員、パートアルバイトなどの雇用形態を問わず被保険者です。
1か月の所定労働日数20日×4分の3以上=15日以上
1週間週の所定労働時間40時間×4分の3以上=30時間以上
上記の要件を満たさない1週間の所定労働時間および1か月の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者の場合でも、以下のすべての要件を満たした場合は被保険者になります。
・従業員数(被保険者数)が51人以上の事業所に勤務していること
・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満であること
・所定内賃金の月額が88,000円以上であること
・2か月を超える雇用の見込みがあること
・学生でないこと
このように、社会保険の被保険者資格を満たしていても、厚生年金保険は70歳、健康保険は75歳を越えると被保険者資格を失いますので注意が必要です。
雇用保険とは、労働者が失業した場合、再就職した場合、育児や介護のために休業した場合に、労働者の生活および雇用の安定を図り、就職の促進を図るために必要な給付を行う制度です。
雇用保険の被保険者は、健康保険料や厚生年金保険料と同様に、雇用保険料を被保険者と事業主と折半で支払わなければなりません。
正社員、契約社員、パートアルバイトなどの名称や雇用形態にかかわらず、以下の条件を満たした場合は雇用保険の被保険者になります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上の雇用見込みがあること
今後、パートやアルバイトなどの短時間労働者の社会保険の加入要件の見直しが行われる方向です。
現在51人以上としている勤務先の企業規模要件や、年収106万円以上の要件が撤廃され、週の所定労働時間数が20時間以上であれば社会保険に加入しなければならなくなるかもしれません。
そうなれば、社会保険の加入者が増え、人事労務担当者の仕事も増えることになります。
社会保険や雇用保険について、質問などがある場合や、詳しく知りたい場合には、是非一度当事務所にご相談ください。