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厚生年金保険の給付

厚生年金保険の給付


記事作成日:2025/2/28

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厚生年金保険とは、日本の公的年金制度のひとつで会社員や公務員など被用者のための年金制度です。 
厚生年金保険の適用事業所に常用的に雇用されている70歳未満の従業員は、基本的に厚生年金保険に加入しなければなりません。
また、パートタイマーやアルバイトなどの短時間労働者であっても、一定の条件を満たした場合は厚生年金保険の被保険者になります。
厚生年金保険には、被保険者が老齢のため働けなくなった場合の老齢のための給付、病気やけがなどにより障害が残った場合の障害のための給付、被保険者が亡くなった場合の遺族のための給付があります。
この厚生年金保険の給付は、本人や残された遺族に必要な保険給付を行うことが目的です。

今回は、厚生年金保険の保険給付の種類や内容について、分かりやすく解説していきます。

1.老齢のための給付

厚生年金保険は、老齢のための給付を行っています。
老齢のための給付は、老齢厚生年金、特別支給の老齢厚生年金、加給年金です。

(1)老齢厚生年金

老齢厚生年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上ある方が、国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば、原則65歳から老齢基礎年金に上乗せされて支給されます。
老齢基礎年金の受給資格期間は、保険料納付済期間や保険料免除期間などを合算した期間が10年以上ある場合です。
老齢厚生年金の受給額は、平均標準報酬月額と厚生年金保険の被保険者期間により決定されます。

(2)特別支給の老齢厚生年金

特別支給の老齢厚生年金とは、昭和60年に厚生年金保険の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことに伴い、段階的に受給開始年齢を引き上げるために生まれた制度です。
特別支給の老齢厚生年金を受給できるのは、昭和36年4月1日以前生まれの男性と昭和41年4月1日以前生まれの女性です。
老齢厚生年金の原則65歳から受給できますが、生年月日に応じて65歳前から老齢厚生年金を受給できます。
昭和36年4月2日以後生まれの男性と昭和41年4月2日以後生まれの女性は、特別支給の老齢厚生年金を受給できません。

(3)加給年金

加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が65歳に達した時(または定額部分支給開始年齢に到達した時)に、その方に生計を維持されている一定の配偶者または子がいるときに老齢厚生年金に加算される年金です。
一定の配偶者または子とは、以下になります。
・65歳未満の配偶者
・18歳到達年度の3月31日までにある子(障害年金の障害等級1級または2級の状態にある20歳未満の子)

2.障害のための給付

厚生年金保険は、障害状態になった方のための給付を行っています。
障害のための給付は、障害厚生年金、障害手当金です。

(1)障害厚生年金

障害厚生年金とは、厚生年金保険の加入期間に初診日がある病気やけがが要因で一定の障害状態にある場合に支給される年金のことです。
一定の障害状態とは障害等級1級、2級、3級であり、級により障害厚生年金の給付額が変わります。

(2)障害手当金

障害手当金とは、厚生年金保険の加入期間に初診日がある病気やけがが要因で障害状態になった場合、その障害状態が障害等級1級、2級、3級に満たない軽度の場合に支給される一時金です。

3.遺族のための給付

厚生年金保険は、被保険者が亡くなった場合に一定の遺族の方に給付を行っています。
障害のための給付は、遺族厚生年金です。

遺族厚生年金

遺族厚生年金とは、厚生年金保険の被保険者や老齢厚生年金の受給資格者、受給権者などが亡くなった場合、亡くなった方に生計を維持されていた一定の遺族が受給できる年金です。
一定の遺族とは、優先順位の高い順に以下の遺族になります。
・子のある配偶者
・18歳到達年度の3月31日までにある子、または障害年金の障害等級1級または2級の状態にある20歳未満の子
・子のない配偶者(30歳未満の妻は5年間の有期年金、子のない夫は55歳以上である場合に60歳から受給)
・55歳以上の父母
・18歳到達年度の3月31日までにある孫、または障害年金の障害等級1級または2級の状態にある20歳未満の孫
・55歳以上の祖父母

まとめ

厚生年金保険の適用事業所に常用勤務している従業員や一定の短時間労働者は、厚生年金の被保険者になります。
企業などの労務担当者は、厚生年金保険の給付についても知っておかなければなりません。

厚生年金保険について、疑問などがある場合や、詳しく知りたい場合には、是非一度当事務所にご相談ください。

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