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労働保険料の年度更新

労働保険料の年度更新


記事作成日:2025/4/18

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労働保険とは労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険のことをいい、労働者を1人でも雇用した場合には加入しなければなりません。
労災保険料は全額事業主が負担し、雇用保険料は労使双方で負担しますが、労災保険料と雇用保険料を合わせた総称のことを労働保険料といいます。
この労働保険料の納付方法は、厚生年金保険料や健康保険料の社会保険料とは異なり、「年度更新」という労働保険料を確定・申告して、納付する手続きにより行います。

今回は、労働保険料の年度更新について解説していきます。

1.労働保険料の年度更新

労働保険の保険料は、1保険年度(毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間)単位で計算します。
労働保険料の申告と納付の方法として、まず新保険年度分の労働保険料を概算で計算し、概算保険料を前払いすることが必要です。
また、前年度の賃金総額により計算された前年度の確定保険料と、前年度に概算で支払った概算保険料との差額を清算します。
この今年度の概算保険料と、前年度の概算保険料と確定保険料の差額を6月1日から7月10日(土日祝日の場合は翌日)までの間に支払うことを労働保険の年度更新といいます。
従業員を雇用している事業所は、年度更新を必ず行わなければなりません。
年度更新をしなかった場合には、政府が労働保険料や拠出金の金額を決定して、さらに納付しなければならない労働保険料や拠出金の10%の追徴金を支払わなければならなくなる可能性があります。

2.労働保険料の計算方法

労働保険料は、すべての労働者(雇用保険はすべての被保険者)に支払う賃金の総額(概算保険料の場合は賃金支払見込額)に、事業ごとに定められた保険料率(労災保険率+雇用保険率)を掛けることで計算できます。

(1)労災保険率

労災保険料は、従業員が負担することなく事業主が全額を負担しなければなりません。
労災保険率は、事業の種類によって異なり、一般的には労災事故が起きやすい危険を伴う事業の方が労災保険率が高くなっています。

(2)雇用保険率

雇用保険料は、労災保険料とは異なり事業主と従業員が双方(負担率は異なる)で負担します。
雇用保険料率は、一般の事業、農林水産・清酒製造の事業、建設の事業の3つの事業種類で異なります。
令和7年度の雇用保険料率は、事業主負担と労働者負担を合わせて一般の事業で14.5/1,000、農林水産・清酒製造の事業で16.5/1,000、建設の事業で17.5/1,000です。
それぞれ令和6年度と比べて1/1,000引き下げとなっていますので、注意が必要です。

3.労働保険料の申告、納付方法

年度更新による労働保険料の申告、納付方法は、労働保険概算・確定保険料申告書を最寄りの銀行、信用金庫、郵便局等、または事業所を管轄する労働局、労働基準監督署、社会保険・労働保険徴収事務センターなどに提出します。
また、労働保険料の申告、納付は、e-Govの電子申請、電子納付でも可能です。

まとめ

従業員を1人でも雇用している事業所は、毎年年度更新を行わなければなりません。
年度更新では、概算保険料と確定保険料の計算が必要です。
労働保険の年度更新について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。

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