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従業員の解雇について

従業員の解雇について


記事作成日:2025/11/17

従業員の解雇について

従業員の解雇について

企業を健全に運営していくためには、時には従業員の解雇を検討することもあるかもしれません。
しかし、従業員の解雇は、企業側が自由に行えるものではありません。
会社が従業員を解雇するためには、法令や判例を基準とした客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です。
今回は、従業員の解雇について解説していきます。
※本記事は2025年11月17日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

今回の記事の3行要約

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  • 解雇は従業員の意思に関係なく企業が一方的に雇用契約を終了させる行為で、普通解雇・懲戒解雇・整理解雇の3種類がある。
  • 労働契約法第16条により、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ解雇は無効となる。
  • 解雇を行う場合は原則30日前の予告が必要で、予告期間が不足する場合は解雇予告手当の支払いが義務付けられている。

この記事は、こんな方におすすめです。

☑ 問題社員への対応や解雇の可否を検討している経営者・人事責任者
☑ 解雇に関する法的要件や手続きを正確に理解したい総務・人事担当者
☑ 労使トラブルを未然に防ぎ、適切な労務管理を実施したい管理職・経営層



1.解雇とは?

解雇とは、従業員の意思とは関係なく企業が一方的に雇用契約を終了させることです。
ただし、企業が従業員を解雇することは、簡単なことではありません。
労働契約法第16条には解雇権濫用法理が定められていて、客観的に合理的な理由を欠いて社会通念上相当であると認められない場合には、権利の濫用としてその解雇は無効としています。

2.解雇の種類

解雇には、大きく分けると以下の3種類があります。

(1)普通解雇

普通解雇とは、従業員の能力が不足していたり、勤務態度が不良であったり、病気や怪我などの健康上の問題などの従業員側の理由による解雇のことです。
普通解雇を行うには、いくら従業員側の理由であっても、客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性を証明しなければなりません。
具体的には、従業員への改善指導や配置転換などを行なったなどの相当な努力をしたにもかかわらず改善されないことなどが、客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性であるかどうかです。

(2)懲戒解雇

懲戒解雇とは、企業秩序に重大な違反行為や、横領、窃盗、ハラスメントなどの規律違反が行われた場合の最も重い懲戒処分としての解雇のことです。
懲戒解雇を行うには、懲戒事由として就業規則に定めがあることが前提であり、その処分が社会通念上相当でなければいけません。

(3)整理解雇

整理解雇とは、経営悪化、事業の縮小や閉鎖などの経営上の理由により人員削減を行う場合の解雇のことです。
整理解雇を行うためには、裁判例では「人員削減の必要性」、「解雇回避努力義務の履行」、「人選の合理性」、「手続の妥当性」の四要素を満たす必要があるとしています。

3.解雇予告

企業が従業員を解雇する場合、労働基準法第20条では原則として少なくとも30日前に解雇の予告をしなければならないと定めています。
また、解雇の予告が30日に満たない場合には、30日に満たない日数分の平均賃金を解雇予告手当として従業員に支払わなければなりません。
例えば、解雇の20日前に予告をした場合には30日前に満たないため、不足する10日分の平均賃金を解雇予告手当として従業員に支払う必要があります。
解雇予告が労働基準法に定められている理由は、いきなりの解雇は従業員に大きな影響を与えてしまうからです。

ただし、以下の事由による解雇の場合には、労働基準監督署長の認定を受けることにより、解雇予告や解雇予告手当を支払うこと無しに即時解雇が認められるケースがあります。
・労働者の責に帰すべき重大な事由による解雇
・天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能となった場合の解雇

まとめ

このように、従業員を解雇する場合には、客観的に合理的な理由と社会通念上相当であることが必要です。

従業員の解雇などについて、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。


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よくある質問

A. 試用期間中であっても、労働契約は成立しているため、原則として通常の解雇と同様の要件が必要です。
ただし、試用期間開始から14日以内であれば、解雇予告や解雇予告手当の支払いは不要とされています(労働基準法第21条)。
14日を超えた場合は、通常の解雇と同様に30日前の予告または解雇予告手当が必要になります。
なお、試用期間中の解雇(本採用拒否)は、通常の解雇よりも解雇理由の合理性・相当性が緩やかに判断される傾向にありますが、それでも客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性は必要です。
能力不足や適性がないと判断する場合でも、適切な指導や教育を行った記録を残しておくことが重要です。
A. 解雇は企業が一方的に雇用契約を終了させる行為であるのに対し、退職勧奨は企業が従業員に対して自主的な退職を促す行為で、最終的には従業員の同意が必要です。
退職勧奨の場合、従業員が応じなければ雇用関係は継続します。解雇と異なり、厳格な法的要件はありませんが、執拗な退職勧奨は違法とされる可能性があります。
退職勧奨に応じて退職する場合は「合意退職」となり、通常は会社都合退職として扱われます。
これにより、雇用保険の基本手当(失業手当)の給付制限期間がなくなるなど、労働者にとってもメリットがあります。
ただし、退職条件(退職金の上乗せ等)については、双方で十分に協議し、合意内容を書面で残すことが重要です。
A. 解雇が不当解雇と判断された場合、その解雇は無効となり、従業員の地位は継続していたものとして扱われます。
企業は、解雇日から復職日(または和解成立日)までの賃金を「バックペイ」として支払う必要があり、これは争いが長期化するほど高額になります。
また、不当解雇による精神的苦痛に対する慰謝料請求が認められる場合もあります。
労働審判や訴訟となった場合、弁護士費用などの訴訟費用も発生し、企業の評判にも影響を与える可能性があります。
このようなリスクを避けるため、解雇を検討する際は必ず労働法に詳しい専門家に相談し、適切な手順を踏むことが重要です。

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