従業員の解雇について
記事作成日:2025/11/17
企業を健全に運営していくためには、時には従業員の解雇を検討することもあるかもしれません。
しかし、従業員の解雇は、企業側が自由に行えるものではありません。
会社が従業員を解雇するためには、法令や判例を基準とした客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です。
今回は、従業員の解雇について解説していきます。
※本記事は2025年11月17日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 問題社員への対応や解雇の可否を検討している経営者・人事責任者
☑ 解雇に関する法的要件や手続きを正確に理解したい総務・人事担当者
☑ 労使トラブルを未然に防ぎ、適切な労務管理を実施したい管理職・経営層
解雇とは、従業員の意思とは関係なく企業が一方的に雇用契約を終了させることです。
ただし、企業が従業員を解雇することは、簡単なことではありません。
労働契約法第16条には解雇権濫用法理が定められていて、客観的に合理的な理由を欠いて社会通念上相当であると認められない場合には、権利の濫用としてその解雇は無効としています。
解雇には、大きく分けると以下の3種類があります。
普通解雇とは、従業員の能力が不足していたり、勤務態度が不良であったり、病気や怪我などの健康上の問題などの従業員側の理由による解雇のことです。
普通解雇を行うには、いくら従業員側の理由であっても、客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性を証明しなければなりません。
具体的には、従業員への改善指導や配置転換などを行なったなどの相当な努力をしたにもかかわらず改善されないことなどが、客観的で合理的な理由と社会通念上の相当性であるかどうかです。
懲戒解雇とは、企業秩序に重大な違反行為や、横領、窃盗、ハラスメントなどの規律違反が行われた場合の最も重い懲戒処分としての解雇のことです。
懲戒解雇を行うには、懲戒事由として就業規則に定めがあることが前提であり、その処分が社会通念上相当でなければいけません。
整理解雇とは、経営悪化、事業の縮小や閉鎖などの経営上の理由により人員削減を行う場合の解雇のことです。
整理解雇を行うためには、裁判例では「人員削減の必要性」、「解雇回避努力義務の履行」、「人選の合理性」、「手続の妥当性」の四要素を満たす必要があるとしています。
企業が従業員を解雇する場合、労働基準法第20条では原則として少なくとも30日前に解雇の予告をしなければならないと定めています。
また、解雇の予告が30日に満たない場合には、30日に満たない日数分の平均賃金を解雇予告手当として従業員に支払わなければなりません。
例えば、解雇の20日前に予告をした場合には30日前に満たないため、不足する10日分の平均賃金を解雇予告手当として従業員に支払う必要があります。
解雇予告が労働基準法に定められている理由は、いきなりの解雇は従業員に大きな影響を与えてしまうからです。
ただし、以下の事由による解雇の場合には、労働基準監督署長の認定を受けることにより、解雇予告や解雇予告手当を支払うこと無しに即時解雇が認められるケースがあります。
・労働者の責に帰すべき重大な事由による解雇
・天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能となった場合の解雇
このように、従業員を解雇する場合には、客観的に合理的な理由と社会通念上相当であることが必要です。
従業員の解雇などについて、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。