労災保険の遺族(補償)給付について
記事作成日:2025/11/30
労働者災害補償保険(労災保険)とは、業務災害や通勤災害による負傷、疾病、障害、死亡に対して給付などを行う公的保険です。
労災保険の給付の中には、以下の主な給付があります。
・療養(補償)給付
・休業(補償)給付
・傷病(補償)年金
・障害(補償)給付
・遺族(補償)給付
・葬祭料(葬祭給付)
・介護(補償)給付
・二次健康診断等給付
今回は、労災保険の給付の中で、業務上または通勤途中の災害により労働者が死亡した場合に生計を維持されていた遺族に支給される遺族(補償)給付について解説していきます。
※本記事は2025年11月30日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 労災死亡事故への備えを確認したい事業主・安全管理責任者
☑ 遺族補償制度の詳細を把握したい人事労務担当者・社会保険労務士
☑ 万が一の補償内容を知っておきたい労働者本人・その家族
遺族(補償)給付とは、業務災害または通勤災害により労働者が亡くなった場合に、労働者に生計を維持されていた一定の遺族に支給される給付のことです。
他の労災保険と同様に、業務災害による死亡の場合の給付を遺族補償給付、通勤災害による死亡の場合の給付を遺族給付と呼んでいます。
遺族(補償)給付には遺族(補償)年金と遺族(補償)一時金の2種類があり、遺族(補償)一時金は遺族(補償)年金の受給資格を満たさなかった方が受給することができます。
遺族(補償)年金は、亡くなった労働者の収入にて生計を維持していた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の中で最先順位者が受給可能です。
ただし、妻以外の遺族については、労働者の死亡時に一定の年齢であるか一定の障害の状態にあることが必要です。
一定の年齢であるか一定の障害の状態とは、以下になります。
遺族(補償)年金は、遺族数などに応じて給付基礎日額の153日から245日分が支給されます。
遺族(補償)一時金は、労働者が死亡した時に遺族(補償)年金を受給する遺族がいない場合や、遺族(補償)年金の受給権者がすべて失権した場合に支給される一時金です。
遺族(補償)一時金は、以下の遺族のうち最先順位にあるものに支給されます。
遺族(補償)一時金の額は、遺族(補償)年金を受給する遺族がいない場合は給付基礎日額の1,000分になります。
また、遺族(補償)年金の受給権者がすべて失権した場合は、給付基礎日額1,000日分からすでに支給された遺族(補償)年金の合計額を引いた金額です。
遺族(補償)年金の受給者は、遺族(補償)年金に上乗せして、労働福祉事業から遺族特別支給金と遺族特別年金を受給することができます。
また、遺族(補償)一時金の受給者は、遺族(補償)一時金に上乗せして、労働福祉事業から遺族特別支給金と遺族特別一時金を受給することができます。
このように、業務災害または通勤災害により労働者が死亡した場合には、一定の遺族は労災保険から遺族(補償)給付が受給できる可能性があります。
労災保険について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。