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裁量労働制について

裁量労働制について


記事作成日:2026/03/31

裁量労働制について

裁量労働制について

高市早苗首相による2026年2月20日の施政方針演説で、裁量労働制の見直しを検討することを明らかにしました。
この裁量労働制の見直し議論は、働き方改革の議論をしている厚生労働省の審議会で加速していく見通しです。
この裁量労働制の見直しにより、長時間労働の助長を促す危惧も懸念されていますが、そもそも裁量労働制とはどのような制度なのでしょうか?
今回は、裁量労働制について詳しく解説していきます。
※本記事は2026年3月31日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

今回の記事の3行要約

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  • 裁量労働制はみなし労働時間制のひとつで、仕事の進め方や時間配分を労働者の裁量に委ねる制度です
  • 対象職種により専門業務型(20職種)企画業務型の2種類があり、それぞれ導入要件が異なります
  • みなし労働時間が8時間を超える場合深夜労働・法定休日労働には割増賃金の支払いが必要です

この記事は、こんな方におすすめです。

☑ 裁量労働制の導入を検討している経営者・人事担当者
☑ 裁量労働制の対象職種に該当するか確認したい企業の管理職
☑ みなし労働時間制における残業代の扱いを正しく理解したい労務担当者



1.みなし労働時間制

裁量労働制は、みなし労働時間制のひとつです。
みなし労働時間制とは、実際の労働時間の把握が難しいケースであらかじめ定めた時間労働したものとみなして労働時間を計算する労働基準法第38条に定められた制度です。
みなし労働時間制には、営業職などの会社の管理がおよばない業務が対象の「事業場外みなし労働時間制」と仕事の時間配分などを労働者の裁量に委ねる「裁量労働制」の2種類があります。

2.裁量労働制とは?

裁量労働制は、仕事の進め方や時間配分を労働者自らの裁量に委ねる必要がある業務を対象としたみなし労働時間制のひとつです。
裁量労働制は、対象となる職種の違いにより2種類に分かれます。

(1)専門業務型裁量労働制
高度な専門知識が必要な職種で、業務の遂行方法を指示するのが難しい以下の20職種が該当します。

  • ・新商品・新技術の研究開発または人文・自然科学に関する研究
  • ・情報処理システムの分析・設計
  • ・新聞・出版・放送等における取材・編集
  • ・衣服、室内装飾、工業製品、広告等のデザイン
  • ・放送番組・映画等のプロデューサーまたはディレクター
  • ・コピーライター
  • ・システムコンサルタント
  • ・インテリアコーディネーター
  • ・ゲーム用ソフトウェアの創作
  • ・証券アナリスト
  • ・金融工学等を用いた金融商品の開発
  • ・大学における教授研究
  • ・公認会計士
  • ・弁護士
  • ・建築士
  • ・不動産鑑定士
  • ・弁理士
  • ・税理士
  • ・中小企業診断士
  • ・事業運営に関するコンサルタント

(2)企画業務型裁量労働制

企業運営に影響を与えるような、事業の企画、立案、調査、分析を行う業務が対象です。
主な職種は、以下になります。

  • ・経営方針、事業戦略の立案
  • ・事業計画、中期経営計画の策定
  • ・新規事業の企画、立ち上げ
  • ・組織再編、業務改革の企画

企画業務型裁量労働制の導入には、本人の同意と労使委員会の決議が必要になります。

3.裁量労働制のメリットデメリット

裁量労働制のメリットとしては、朝遅めに始業したり早めに帰宅したり、ライフスタイルに合わせて働けるところです。
一方、一定の時間働いたものとみなされるため、長時間労働になりやすいのがデメリットと言えます。

4.裁量労働制の時間外勤務

裁量労働制は一定の時間働いたものとみなすため、残業代はつかないと思われます。
裁量労働制は、みなし労働時間が8時間を超える場合のみ、超過時間に対して通常の賃金に対する割増賃金が必要です。
また、午後10時から午前5時までの深夜労働や、法定休日の労働にも通常の賃金に対する割増賃金が必要になりますので注意が必要です。

まとめ

このように、裁量労働制とはみなし労働制のひとつで、一定の職種の場合に仕事の時間配分などを労働者の裁量に委ねる制度です。

裁量労働制などのみなし労働時間制について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。


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よくある質問

A. 専門業務型裁量労働制の場合は、労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。
労使協定では対象業務、みなし労働時間、健康・福祉確保措置、苦情処理措置などを定めます。
企画業務型裁量労働制の場合は、労使委員会を設置し、委員の5分の4以上の多数による決議を行い、さらに対象労働者本人の同意を得たうえで労働基準監督署へ届け出る必要があります。
いずれの場合も、導入後は定期的に運用状況を確認し、労働者の健康管理に配慮することが求められます。
A. 裁量労働制では、あらかじめ定めたみなし労働時間が法定労働時間の8時間を超える場合、超過分に対して25%以上の割増賃金が必要です。
また、午後10時から午前5時までの深夜帯に労働した場合は25%以上の深夜割増賃金、法定休日に労働した場合は35%以上の休日割増賃金がそれぞれ発生します。
裁量労働制だからといってすべての残業代が不要になるわけではなく、これらの割増賃金を正しく計算し支払わなければ、労働基準法違反となる可能性がありますので注意が必要です。
A. 裁量労働制は、実際に何時間働いたかにかかわらず、あらかじめ定めたみなし労働時間分だけ働いたものとして扱う制度です。対象は専門的な業務や企画業務に限定されます。
一方、フレックスタイム制は、一定の清算期間内で総労働時間を定め、その範囲内で始業・終業時刻を労働者が自由に決められる制度です。
フレックスタイム制では実際の労働時間が管理され、清算期間の総労働時間を超えた分には残業代が発生します。
裁量労働制は労働時間を「みなす」点、フレックスタイム制は実労働時間を「柔軟に管理する」点が根本的な違いです。

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