偽装請負について
記事作成日:2026/04/30
昨今の人手不足により、業務委託を活用している企業が数多くあります。
その上で気を付けなければならないことは、偽装請負です。
今回は、偽装請負とはどのようなものなのか、なぜ問題なのかについて解説していきます。
※本記事は2026年4月30日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 業務委託や請負契約を活用して外部人材を受け入れている企業の経営者・管理者
☑ フリーランスや個人事業主として請負契約で働いている業務委託の受託者
☑ 労働者派遣と請負の違いを正しく理解しておきたい人事・労務担当者
偽装請負とは、実態は労働者派遣としての働き方であるにもかかわらず、形式上は請負契約として偽装する状態のことです。
実態の労働体系が労働者派遣にもかかわらず、契約形態が請負契約である場合には、偽装請負と判断される可能性が高くなります。
日本の労働体系は、大きく分けると「直接雇用」「労働者派遣」「業務委託(請負・準委任)」の3種類に分かれます。
直接雇用とは、事業主と労働者が直接雇用契約を締結して、その事業主の指揮命令のもとで働く雇用形態のことです。
労働者派遣とは、派遣元に雇用された労働者が、派遣先で働く仕組みのことで、労働者派遣法に定められた雇用形態です。
労働者派遣の場合、雇用契約を派遣元と締結して、指揮命令権は派遣先にあります。
業務委託(請負・準委任)とは、事業主が業務の一部を外部の個人や法人に依頼する契約形態のことです。
業務委託(請負・準委任)では、事業主と労働者の間に雇用関係や指揮命令権は原則発生しません。
そのため、労働基準法などの労働者保護については、適用されないのが一般的です。
偽装請負が問題視される理由は、労働基準法などに定義されている労働者保護の仕組みを回避する恐れがあることです。
例えば、解雇制限、安全配慮義務、残業代支払などの使用者責任の回避や、社会保険料の負担回避などが考えられます。
契約形態が請負契約の場合には、これらの事業主の責任を免れることができるため、企業などが偽装請負を行うケースがあります。
しかし、行政は偽装請負が発覚した場合には、厳しい是正指導や契約の見直しを行っているため注意が必要です。
偽装請負と判断する基準として、実態として請負とは認められず労働者派遣になっているかどうかがポイントです。
労働者派遣か請負かの判断は、厚生労働省によって告示された告示第37号にて定められています。
告示第37号では、以下の条件を満たしている場合に請負として適正と認められます。
このように、実態は労働者派遣としての働き方であるにもかかわらず、請負契約として契約をしている場合には、偽装請負と判断される可能性があります。
労働体系について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。