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退職時の年次有給休暇について
記事作成日:2025/12/25
従業員が退職する場合、残っている年次有給休暇の取り扱いに悩む会社や人事労務担当者の方もいらっしゃるでしょう?
年次有給休暇は労働基準法に定められた従業員の権利ですが、会社側としては漏れのない完全な引継ぎを完了させなければなりません。
今回は、退職時の有給休暇について解説していきます。
※本記事は2025年12月25日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 退職する従業員から有給消化の請求を受けた事業主・人事担当者
☑ 引継ぎと有給消化のスケジュール調整に悩む管理職・経営者
☑ 退職前に有給休暇を消化したい、または買取を検討している従業員
年次有給休暇とは、労働基準法第39条で定められた給与が支払われる休暇のことです。
以下の両方を満たした従業員に、労働基準法で定められた日数が付与されます。
雇入れの日から6か月間経過後は、1年ごとに全労働日の8割以上出勤しているかを確認して新たに日数を付与していきます。
その年に付与された日数で消化できなかった有給休暇は、翌年に繰り越すことが可能です。
ただし、有給休暇の権利は付与された日から2年で時効により消滅するため、翌々年までは繰り越せません。
退職する従業員の中には、残っている年次有給休暇をすべて消化したいと希望する人もいます。
会社としては、きちんとした引継ぎや人手不足などからできれば許可したくないケースも多いでしょう。
しかし、退職時の年次有給休暇の消化請求は、会社が拒否することはできません。
たとえ、会社の就業規則に退職時の引継ぎなどについて明確に完了させなければならないとの記載があったとしても、退職時の年次有給休暇の消化請求を拒否できないのです。
年次有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利のため、会社としては計画的な引継ぎや退職日の延長交渉などでうまく解決していくことが有効的な方法です。
年次有給休暇の時季変更権とは、従業員が年次有給休暇を取得することで事業の正常な運営を妨げてしまうケースに限り、使用者が他の日程へ年次有給休暇を変更できる権利のことです。
ただし、退職する従業員の年次有給休暇については、たとえ事業の正常な運営を妨げてしまうケースであっても別の日に変更する代替日がないので、時季変更権は行使できません。
従業員の年次有給休暇を会社などが買い取ることは、労働基準法39条違反として原則認められていません。
ただし、退職のため年次有給休暇が消滅してしまう場合などは、例外として会社などが従業員の年次有給休暇を買い取ることが可能です。
退職時の年次有給休暇の買取は、あくまでも任意であり退職する従業員の年次有給休暇が消滅する場合に必ずしなければならないものではありません。
一つの解決策として、年次有給休暇の買取をすることも検討するのも良いかもしれません。
このように、従業員が退職するケースで残っている年次有給休暇の取得請求があった場合には、会社などはその請求を拒否することはできません。
きちんとした引継ぎの完了や事業の正常な運営が妨げられないようにするためには、会社としても退職までのスケジュールを計画的に立てていくことが必要です。
従業員の退職時の取り扱いについて、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。