障害者雇用促進法について
記事作成日:2026/01/19
事業主や人事労務担当者の方は、近年ダイバーシティやSDGsへの関心が大きくなる中で、障害者雇用についても考えなければなりません。
障害者の就労機会が拡大して、安定した職業生活を送れるための法律として、障害者雇用促進法(正式名:障害者の雇用の促進等に関する法律)があります。
障害者雇用促進法は、障害者の雇用義務や差別の禁止などが定められた法律です。
今回は、障害者雇用促進法とはどのような法律かについてや、法改正における障害者の法定雇用率の引き上げについて解説していきます。
※本記事は2026年1月19日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 従業員数37.5人以上で初めて障害者雇用義務が発生する中小企業の経営者
☑ 2026年の法改正に向けて準備を進めたい人事労務担当者
☑ 障害者雇用の法定雇用率や納付金制度を基礎から理解したい総務担当者
障害者雇用促進法は、心身に障害のある方が能力や適性を最大限に発揮し、職業生活の安定や就労機会の拡大を企業、国、社会全体で支援するための法律です。
障害者雇用促進法の基本原則には、法定雇用率制度の遵守、差別の禁止や合理的配慮の提供、納付金制度などがあります。
障害者雇用促進法では、事業主は障害者雇用の責任を果たす必要があるため、一定の障害者の雇用を推進しなければなりません。
この原則を具体化した制度が、法定雇用率制度です。
法定雇用率制度とは、従業員が一定規模以上いる企業などに対して、障害者を雇用する割合(法定雇用率)以上の達成を義務付ける制度です。
法定雇用率は、民間企業、国・地方公共団体などによって異なります。
障害者雇用促進法では、障害を理由とした不当な差別を禁止しています。
差別の禁止は、募集・採用、賃金、配置、昇進、教育訓練、退職・解雇などすべてです。
また、障害の有無にかかわらず均等な機会を確保するために、個々の障害特性に応じた合理的配慮の提供を義務付けしています。
企業などは、毎年6月1日現在の障害者雇用状況報告をハローワークに報告しなければなりません。
この報告により、企業などの法定雇用率の達成状況などがわかるようになっています。
法定雇用率が未達成の場合には、企業は納付金を支払わなければなりません。
この納付金は、法定雇用率を達成した企業などへ調整金として配分されることにより、障害者雇用に伴う経済的負担を社会全体で調整する仕組みになっています。
障害者雇用促進法の2026年の改正で、障害者雇用の法定雇用率の引き上げと、対象事業主の拡大が行われます。
現行の障害者雇用の法定雇用率は、民間企業が2.5%、国・地方公共団体等が2.8%、都道府県等の教育委員会が2.7%です。
2026年7月からは障害者雇用の法定雇用率が、民間企業は2.7%に、国・地方公共団体等は3.0%に、都道府県等の教育委員会は2.9%にそれぞれ0.2%引き上げられます。
現行の障害者雇用義務のある民間企業は、従業員数40人以上です。
2026年7月からの障害者雇用の法定雇用率の引き上げに伴い、障害者雇用義務のある民間企業が従業員数37.5人以上に拡大されます。
そのため、今まで障害者雇用義務のなかった企業においても、従業員数によっては2026年7月から障害者雇用義務が発生する可能性がありますので注意が必要です。
このように、障害者雇用促進法の法改正により、2026年7月から障害者雇用の法定雇用率の引き上げが行われます。
この改正により、従業員の人数によっては企業の障害者の雇用人数が変わる可能性があります。
障害者の雇用について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。