労働基準法の改正(副業兼業と本業の労働時間通算ルールの見直し、週44時間の特例措置の見直し)
記事作成日:2026/02/28
2026年に労働基準法は約40年ぶりに改正される予定でしたが、通常国会への法案提出が見送られる見通しになりました。
このことは、政府の方針転換や労使間の意見の対立が原因です。
一旦、労働基準法の改正は再検討されることになりますが、再提出された時のことを考えて企業は準備をしておかなければなりません。
今回は、法案提出予定だった労働基準法改正のうち、副業兼業と本業の労働時間通算ルールの見直し、週44時間の特例措置の見直しについて解説していきます。
※本記事は2026年2月28日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 従業員の副業・兼業を許可または検討している人事労務担当者
☑ 週44時間の特例措置を適用している常時10人未満の事業場の経営者
☑ 労働基準法改正の動向を把握し早めに対策を打ちたい中小企業の経営者
今回の労働基準法の改正で、検討されていた主な項目は以下になります。
この中で、副業兼業と本業の労働時間通算ルールの見直し、週44時間の特例措置の見直しについて見ていきます。
労基法第38条では、労働時間は、事業場が異なる場合においても通算すると定められています。
すなわち、現状では、本業先と副業・兼業先の労働時間は通算されるのです。
そのため、本業先と副業兼業先の通算労働時間が法定労働時間を超えた場合には、時間外労働として割増賃金が発生します。
しかし、異なる事業先も含めた労働時間管理が複雑であり受入れ側の負担が大きいため、副業兼業の許可や受入れの障壁となっています。
今回の改定では、本業先と副業兼業先が独立して労働時間を管理する分離方式が検討されていました。
分離方式とは、割増賃金の算定のための労働時間に関しては通算管理を廃止して、労働者の健康確保のための労働時間に関しては通算管理は継続するという方式です。
労働基準法で定められた法定労働時間は、原則1日8時間、週40時間です。
ただし、現状では、特定の業種のうち労働者が常時10人未満の事業場は、法定労働時間を週44時間まで延長できる特例があります。
しかし、現状では、ほとんどの企業が法定労働時間を週44時間まで延長できる特例を使っていないため、制度の役割は終えたと考えられています。
そのため、今回の改正では、この週44時間の特例措置の見直しが検討されたのです。
労働基準法の改正は2026年は見送られることになりましたが、制度の再検討を行い来年以降には国会に提出される見通しです。
そのため、企業は将来の改正のための準備が、今から必要になります。
労働基準法の改正ついて、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。