障害者雇用における基本と企業にもたらすメリット
記事作成日:2026/03/24
企業における人材不足の解消策のひとつとして、障害者雇用は近年どんどんと増えています。
厚生労働省が発表した「令和7年障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における雇用障害者数は70万4,610人です。
これは、前年よりも2万7,000人以上増加していて、対前年比4.0%の増加となっています。
障害者雇用は、障害者雇用促進法により義務付けられているだけでなく、企業の組織力強化や社会的評価にもつながる大変重要な企業活動のひとつです。
そのため、企業の人事採用担当者も、障害者雇用について知っておく必要があります。
今回は、障害者雇用における基本と企業にもたらすメリットについて解説していきます。
※本記事は2026年3月24日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 法定雇用率の達成に向けて対応を進めたい人事採用担当者
☑ 2026年7月の法改正で新たに雇用義務が発生する中小企業の経営者
☑ 障害者雇用の基本や合理的配慮について知りたい総務・労務担当者
企業が障害者を雇用する場合に知っておかなければいけないことは、以下の3点です。
企業は、常用労働者の数に対して障害者雇用促進法で決められた一定割合以上の障害者を雇用する義務があり、これを法定雇用率といいます。
現在の民間企業に対する障害者の法定雇用率は2.5%であり、2026年7月からは2.7%へ引き上げられます。
また、この改正により法定雇用率の達成義務が課される民間企業の規模も、2026年7月からは現行の常時雇用する労働者が40人以上から37.5人以上に拡大されます。
令和7年障害者雇用状況の集計結果によると、法定雇用率達成企業の割合は46.0%です。
企業は障害者雇用をしなければならないことを理解していても、現状は実務対応の課題等も多く、法定雇用率の達成ができていない企業が多いのが現状です。
法定雇用率が未達成の常用労働者100人超の企業は、不足人数に応じて障害者雇用納付金を支払わなければなりません。
この障害者雇用納付金は、法定雇用率を超えて障害者を雇用している企業などに対して調整金や報奨金として支給されます。
障害者雇用促進法における法定雇用率の対象となる障害者は、以下の3区分です。
合理的配慮とは、障害のある人が働けるように車椅子用デスクの設置や指示書の視覚化などの業務内容や職場環境を配慮することです。
障害者差別解消法に基づいて、民間企業では2024年4月以降に努力義務から法的義務へ移行しました。
障害者を雇用することで、企業には以下のメリットが考えられます。
障害者雇用を行うことで、誰もが働きやすい環境が整えられる共生社会の実現が実現できます。
また、障害者雇用を積極的に行うことは、企業の社会的評価にも影響を与え企業イメージの向上につなげることが可能です。
労働人口が減少する中で、障害者雇用を行うことは意欲の高い貴重な労働力を確保することにつながります。
また、障害者の雇用は、業務への取り組みやコミュニケーションにも多様性が生まれ、企業全体の視野が広がるケースも多いです。
障害者雇用を行うことでマニュアル整備などが進み、組織全体の視野が広がることで、企業全体の生産性が向上します。
このように、企業は障害者雇用促進法により、一定の障害者雇用をしなければなりません。
障害者の雇用について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。