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事業場外みなし労働時間制

事業場外みなし労働時間制


記事作成日:2026/04/21

事業場外みなし労働時間制

事業場外みなし労働時間制

職種によっては会社の管理が及ばないため、実際の労働時間の把握が難しいケースがあります。
このように労働時間の把握が難しいケースに対して、あらかじめ定められた時間を労働したものとみなして労働時間を計算する制度がみなし労働時間制です。
みなし労働時間制は労働基準法第38条に定められた制度で、「事業場外みなし労働時間制」と「裁量労働制」の2種類があります。
事業場外みなし労働時間制とは、会社の管理が及ばない営業職などが対象の制度です。
また、裁量労働制とは、専門知識が必要な職種や企業運営に影響を与えるような職種で、仕事の時間配分などを労働者の裁量に委ねる制度です。
今回は、みなし労働時間制のうち事業場外みなし労働時間制について解説していきます。
※本記事は2026年4月20日時点の法令をもとに執筆しており、法改正等により現在の制度と異なる場合があります。ご不明点は当事務所までお気軽にお問い合わせください。

今回の記事の3行要約

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  • 事業場外みなし労働時間制とは、外回り営業や出張など労働時間の算定が困難な場合に一定時間働いたとみなす制度です
  • 適用には事業場外での業務従事労働時間の算定が困難であることの2つの要件を満たす必要があります
  • みなし労働時間と事業場内の労働時間の合計が法定労働時間を超える場合は2割5分以上の割増賃金が必要です

この記事は、こんな方におすすめです。

☑ 外回り営業や出張が多い従業員の労働時間管理に悩んでいる経営者・管理者
☑ 事業場外みなし労働時間制の導入を検討している人事・労務担当者
☑ みなし労働時間制の適用要件や割増賃金の計算方法を正しく理解したい総務担当者



1. 事業場外みなし労働時間制とは

外回り営業や出張業務などオフィス以外の場所で働く場合には、会社が従業員の実際の労働時間を具体的に把握することが難しい状況にあります。
このように事業場外における業務などの実際の労働時間を正確に算定することが難しい場合、一定時間働いたものとみなして労働時間を計算する制度が事業場外みなし労働時間制です。
事業場外みなし労働時間制が適用される場合には、事業場外労働を行なった従業員は、原則的に実労働時間にかかわらず所定労働時間労働したものとみなされます。

一般的な労働時間はタイムカードなどにより客観的に記録されますが、事業場外における業務の場合は会社側が従業員の業務遂行を監視できません。
事業場外みなし労働時間制は、このような労働時間を算定するのが困難なケースでもあらかじめ一定の労働時間働いたとみなすことで、円滑な業務遂行を支援することができます。

2. 事業場外労働のみなし労働時間制を適用するための要件

事業場外労働のみなし労働時間制を採用するためには、以下の要件をすべて満たすことが必要です。

  • 労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事していること

オフィス外などの使用者の指揮監督が及ばない場所で、業務をしていたことが判断材料です。
移動中や出張などの臨時的な場合であっても、事業場外で業務をしていたことになります。

  • 労働時間を算定することが困難であること

事業所外で複数人で働いている中に労働時間の管理をする人が含まれている場合は、使用者の具体的な指揮監督が及んでいると考えられるため、事業場外労働のみなし労働時間制を適用できません。
また、事業場外で業務に従事していても、スマホやパソコンなどで、会社から具体的な指示を受けられたり、リアルタイムで報告をできる場合には事業場外労働のみなし労働時間制を適用できません。

3. 事業場外みなし労働時間制における時間外労働

事業場外労働のみなし労働時間制によるみなし労働時間と事業場内の業務に従事した時間の合計が法定労働時間を超える場合には、時間外労働になります。
そのため、法定労働時間を超えた時間に対しては、通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。

まとめ

このように、事業場外みなし労働時間制とはみなし労働制のひとつで、会社の管理が及ばない職種などを対象にあらかじめ決められた時間を労働したものとみなして労働時間を計算する制度です。

事業場外みなし労働時間制などのみなし労働時間制について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。


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よくある質問

A. テレワークであっても、パソコンやスマートフォンなどを通じて会社から随時具体的な指示を受けている場合や、常時オンラインで接続し業務報告をリアルタイムで行える状態にある場合は、使用者の指揮監督が及んでいると判断されるため、事業場外みなし労働時間制を適用することはできません。
一方で、通信機器を通じた指示が限定的で、従業員が自らの裁量で業務を遂行しており、労働時間を算定することが困難と認められる場合には適用できる可能性があります。
適用の可否は個別の勤務実態に基づいて判断されるため、導入前に専門家へ相談されることをおすすめします。
A. 事業場外みなし労働時間制において、みなし労働時間を所定労働時間とする場合には、労使協定の締結は必須ではありません。
しかし、業務の遂行に通常必要とされる時間が所定労働時間を超える場合には、その業務に通常必要な時間を労使協定で定める必要があります。
さらに、労使協定で定めたみなし労働時間が法定労働時間を超える場合は、その労使協定を所轄の労働基準監督署へ届け出なければなりません。
適正な運用のためにも、導入時には就業規則への記載と合わせて労使協定の締結を検討することが望ましいです。
A. はい、発生します。事業場外みなし労働時間制はあくまで労働時間の算定方法に関する制度であり、深夜労働(午後10時から午前5時)や法定休日労働に関する労働基準法の規定は通常どおり適用されます。
深夜に業務を行った場合は2割5分以上、法定休日に業務を行った場合は3割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。
そのため、事業場外みなし労働時間制を導入している場合でも、深夜労働や休日労働の実態を把握できる仕組みを整備し、適切に割増賃金を支払うことが求められます。

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