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雇用保険料の引き下げについて

雇用保険料の引き下げについて


記事作成日:2025/1/31

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雇用保険は、労働者の失業や再就職、育児や介護のための休業、教育訓練などを受けた場合に対して必要な給付を行い、労働者の生活および雇用の安定と就職の促進を図るための制度です。
この雇用保険の保険料は、被保険者と事業主とで負担しています。(被保険者よりも事業主の方が雇用保険料を多く負担)
この雇用保険料が、2025年4月から引き下げられます。
今回は、雇用保険料についてと、2025年4月からの雇用保険料の引き下げについて解説していきます。

1.雇用保険料とは?

雇用保険料は、被保険者と事業主の両者で支払います。
また、雇用保険料は、健康保険や厚生年金保険の社会保険料とは異なり、保険料の負担割合は被保険者と事業主が折半で支払うわけではありません。
雇用保険料の負担割合は、被保険者よりも事業主の方が多く支払います。
被保険者分の雇用保険料は、労働者に支払う賃金総額(給与額や賞与額)×被保険者負担分の雇用保険料率で計算できます。
労働者に支払う賃金総額には、基本給や固定給などの基本賃金、賞与の他にも、残業手当、深夜手当、休日出勤手当などの各種手当も含まれますので注意が必要です。
雇用保険料率は、一般の事業、農林水産・清酒製造の事業、建設の事業の3つの事業の種類ごとに異なります。
この中で令和6年度(現在)の一般の事業の雇用保険料率は、以下になります。

①労働者負担(6/1,000) ②事業主負担(9.5/1,000) ①+②雇用保険料率
失業等給付の保険料率 育児休業給付の保険料率 失業等給付の保険料率 育児休業給付の保険料率 雇用保険二事業の保険料率
4/1,000 2/1,000 4/1,000 2/1,000 3.5/1,000 15.5/1,000

2.雇用保険料の引き下げ

被保険者と事業主の両者を合わせた現在の一般の事業の雇用保険料率1.55%ですが、2025年4月から0.1ポイント引き下げて1.45%とすることを厚生労働省の労働政策審議会の部会が決めました。
雇用保険料の引き下げは、雇用情勢の改善のためであり、引き下げは2017年度以来8年ぶりです。
前年度からの0.1%の引き下げは、被保険者負担分0.05%、事業主負担分0.05%をそれぞれ引き下げます。
引き下げの内訳は、失業等給付の保険料率が、令和6年度0.8%(被保険者負担分0.4%、事業主負担分0.4%)から令和7年度 0.7%(被保険者負担分0.35%、事業主負担分0.35%)になります。
育児休業給付の保険料率は、令和6年度0.4%(被保険者負担分0.2%、事業主負担分0.2%)で据え置き、雇用保険二事業の保険料率も0.35%(事業主負担分のみ)で据え置きです。

3.労働保険の年度更新

労働保険料(雇用保険料、労災保険料)は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を保険年度として、保険年度の賃金の総額に保険料率を乗じることで計算します。
毎年の労働保険料の手続きとして、前年度の労働保険料を精算するための確定保険料の申告や納付と、先払いで新年度の概算保険料を納付するための申告や納付を行います。
この確定保険料と概算保険料との差額を納付または還付を受ける手続きのことを労働保険の年度更新といい、毎年6月1日から7月10日までに手続きをしなければなりません。
年度更新での労働保険料の額は、以下の計算式で計算します。

当年度中に支払う賃金総額(概算保険料の場合は賃金支払見込額) × 労働保険料率(労災保険料率、雇用保険料率)

まとめ

このように、雇用保険料が2025年4月から引き下げられますので、従業員の給与計算や労働保険の年度更新の時には注意が必要です。
雇用保険料などの労働保険料について疑問点などございましたら、是非一度当事務所にご相談ください。

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