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厚生年金保険の仕組みや支給額
記事作成日:2025/5/21
会社の人事労務担当者の方は、給与計算、加入手続き、資格喪失手続きなどで厚生年金保険に触れ合う機会が多くあります。
そのため、厚生年金保険についての理解が深い方が多いですが、全体の仕組みや支給額についても知っておくとよいでしょう。
今回は、厚生年金保険の仕組みや受給額について解説していきます。
この記事は、こんな方におすすめです。
☑ 従業員から年金額の質問を受ける人事・労務担当者
☑ 福利厚生として年金セミナーを企画する経営者・総務責任者
☑ 自社セミナー資料を作成中の社会保険労務士。
日本の公的年金は、日本に居住する20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する国民年金と、会社員や公務員などの被用者が加入する厚生年金保険の2階建ての構造になっています。
厚生年金保険は、国民年金と同様に加齢、障害、死亡などのリスクに対して給付を行います。
厚生年金保険の加齢に対する給付には老齢厚生年金などがあり、障害に対する給付は障害厚生年金、死亡に対する給付は遺族厚生年金です。
厚生年金の被保険者は、厚生年金保険料を支払わなければなりません。
厚生年金保険料は、毎月の給与や賞与時に従業員と事業主が折半で支払います。
厚生年金保険の老齢に対する給付である老齢厚生年金は、受給要件を満たした場合に原則65歳から生涯受け取ることができます。
老齢厚生年金の受給要件は、老齢基礎年金の受給要件を満たした方で、厚生年金保険の被保険者期間が1か月でもある場合です。
老齢基礎年金の受給要件を満たした方とは、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある方です。
厚生年金の被保険者は国民年金の第2号被保険者でもありますが、国民年金保険料は加入している厚生年金保険が負担しているため、自ら国民年金保険料を支払う必要はありません。
老齢厚生年金の受給額は人それぞれ金額が異なり、厚生年金保険の被保険者期間が長く、被保険者期間中の平均標準報酬月額が高ければ高いほど受給額が多くなります。
老齢厚生年金の受給額は、以下の計算式で算出可能です。
老齢厚生年金の受給額 = 報酬比例部分 + 経過的加算 + 加給年金額
報酬比例部分とは、厚生年金保険の年金額が厚生年金保険の被保険者期間中の報酬および被保険者期間を基準に計算される部分のことです。
経過的加算とは、20歳未満や60歳以降に厚生年金保険の被保険者期間があった場合に、年金支給に不公平がないように老齢厚生年金に上乗せして支給される金額になります。
加給年金とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が65歳に達した時点(または定額部分の支給開始年齢に達した時点)で、生計を維持されている一定の年齢の配偶者や子がいる場合に加算される年金です。
報酬比例部分は、平成15年3月以前の厚生年金保険の被保険者期間と平成15年4月以降の厚生年金保険の被保険者期間とで計算式が異なります。
・平成15年3月以前の厚生年金保険の被保険者期間
平均標準報酬額×7.125/1,000×平成15年3月までの厚生年金保険の被保険者期間の月数
・平成15年4月以降の厚生年金保険の被保険者期間
平均標準報酬額×5.481/1,000×平成15年4月以降の厚生年金の被保険者期間の月数
平均標準報酬月額とは、「厚生年金保険の被保険者期間の標準報酬月額の合計」から「厚生年金保険の被保険者期間の月数」で割った金額のことです。
将来、自分が将来どのくらい年金が受給できるかを知りたい従業員の方は多いかと思います。
そのため、企業の経営者の方や人事労務担当者の方は、厚生年金保険の仕組みや支給額についても知っておくとよいでしょう。
厚生年金保険について、知りたいことや疑問点などがございましたら是非一度当事務所にご相談ください。