人材開発支援助成金 教育訓練休暇等付与コース
記事作成日:2024/5/3
「人材開発支援助成金」とは、雇用する労働者に対して職務と関係のある専門的な知識や技能を習得するために、職業訓練等を計画的に実施した際の経費や訓練期間中の賃金の一部を、国が事業主に助成する制度です。
令和6年度の人材開発支援助成金は、「人材育成支援コース」「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」「建設労働者認定訓練コース」「建設労働者技能実習コース」の6コースがあります。
今回は、人材開発支援助成金の中の教育訓練休暇等付与コースについて、分かりやすく解説していきます。
教育訓練休暇等付与コースとは、事業主が3年間で5日以上の有給の教育訓練休暇制度を導入して、労働者がその休暇制度を利用して教育訓練を受講した場合に助成するものです。
教育訓練休暇制度の対象となる制度は、以下の要件をすべて満たす必要があります。
(1)雇用保険の被保険者を対象とした有給の教育訓練休暇制度であること
(2)3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇制度を就業規則または労働協約に制度の施行日を明記して規定する制度であること
(3)制度を規定した制度施行日まで労働基準監督署へ届け出た就業規則や、制度施行日までに締結された労働協約を、制度施行日までに雇用する労働者に周知すること
(4)日単位で取得が可能な制度であること
(5)雇用保険の被保険者が業務命令でなく自発的に教育訓練、各種検定、キャリアコンサルティングのいずれかを受講できること
教育訓練休暇制度が適用されるには、以下の両方の要件を満たす必要があります。
(1)3年間の制度導入、適用計画期間の間に、企業全体の被保険者数に応じて、以下の最低適用被保険者数の被保険者にそれぞれ5日以上付与すること
企業全体で雇用する被保険者数 | 最低適用被保険者数 |
100人以上 | 5人 |
100人未満 | 1人 |
1事業主あたりの制度導入、実施助成は、30万円です。
一定の賃金要件または資格等手当要件を満たす場合には、6万円の加算があります。
教育訓練休暇制度の助成には、以下のことに注意しなければなりません。
(1)事業主が教育訓練休暇制度の助成を受給することができる回数は1回のみであること
(2)既に有給または無給の長期教育訓練休暇制度を含む教育訓練休暇制度を導入済みの事業主については、助成対象外であること
(3)過去にキャリア形成促進助成金の教育訓練休暇制度、または人材開発支援助成金の教育訓練休暇制度、または長期教育訓練休暇制度を受給している事業主については、助成対象外であること
このように、3年間で5日以上の有給の教育訓練休暇制度を導入して、労働者がその休暇制度を利用した場合には、人材開発支援助成金の教育訓練休暇等付与コースの助成金が受給できる可能性があります。
人材開発支援助成金の教育訓練休暇等付与コースについて、興味がある場合や詳しく知りたい場合などは、是非一度当事務所にご相談ください。