人材開発支援助成金 建設労働者技能実習コース
記事作成日:2024/5/20
「人材開発支援助成金」とは、事業主が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識や技能を習得するのを目的として、職業訓練等を計画的に実施した場合の経費や訓練期間の賃金の一部を国が助成する厚生労働省の助成金です。
令和6年度の人材開発支援助成金は、「人材育成支援コース」「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」「建設労働者認定訓練コース」「建設労働者技能実習コース」の6つのコースがあります。
今回は、人材開発支援助成金の中の建設労働者技能実習コースについて、分かりやすく解説していきます。
建設労働者技能実習コースとは、若年者などの育成と熟練技能の維持や向上を図るため、キャリアに応じた技能実習を実施した場合にかかった経費や労働者に支払った賃金の一部を助成するものです。
建設労働者技能実習コースを受給できる建設事業主、対象建設労働者は以下です。
・資本金または出資の総額が3億円以下、または常時雇用する労働者が300人以下の中小建設事業主であること
・建設の事業として、令和6年度における雇用保険料率 (18.5/1,000)の適用を受ける事業主であること
・建設事業主からの業務命令によって、建設労働者が受講すること
・受講者である建設労働者が、雇用保険の被保険者であること
・雇用管理責任者を選任すること
・建設労働者に受講させて、その時間内は通常の賃金の額以上の賃金を支払うこと
女性建設労働者に技能実習を実施する場合は、中小建設事業主以外の建設事業主が技能実習を実施した場合も経費助成の対象です。
建設労働者技能実習コースの助成対象となる代表的な技能実習は、以下になります。
・建設工事における作業に直接関連する実習
・労働安全衛生法で定める特別教育
・労働安全衛生法に基づく危険有害業務従事者に対する安全衛生教育
・労働安全衛生法に基づく教習及び技能講習
・職業能力開発促進法に規定する技能検定試験のための事前講習
・建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習
・技能継承に係る指導方法の向上のための講習
助成には、受講料などにかかった費用に対する経費助成と受講労働者へ支払われる賃金に対する賃金助成があります。
a.雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主の場合
対象費用の3/4
b.雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主の場合
・35歳未満の労働者は、対象費用の7/10
・35歳以上の労働者は、対象費用の9/20
c.女性建設労働者に技能実習を実施する場合
対象費用の3/5
賃金向上助成・資格等手当助成を満たした場合は、対象費用の3/20を上乗せします。
また、1技能実習についての支給上限額は、1人あたり10万円です。
a.雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主の場合
受講者1人につき8,550円/日(キャリアアップシステム技能者情報登録者の場合は9,405円/日)
賃金助成の支給決定を受けている場合は、2,000円を上乗せします。
b.雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主の場合
受講者1人につき7,600円/日(キャリアアップシステム技能者情報登録者の場合は8,360円/日)
賃金助成の支給決定を受けている場合は、1,750円を上乗せします。
また、1事業年度(4/1〜3/31)の支給上限額は500万円/年です。
このように、建設労働者技能実習コースとは、建設事業主がキャリアに応じた技能実習を実施した場合に、経費や賃金の一部を助成する助成金です。
人材開発支援助成金の建設労働者技能実習コースについて、興味がある場合や詳しく知りたい場合などは、是非一度当事務所にご相談ください。