人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース
記事作成日:2024/5/20
「人材開発支援助成金」とは、事業主が労働者に対して職務と関係する専門的な知識や技能を習得するために、職業訓練等を計画的に行った際の経費や訓練期間の賃金の一部を、助成する厚生労働省の助成金です。
令和6年度の人材開発支援助成金は、「人材育成支援コース」「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」「建設労働者認定訓練コース」「建設労働者技能実習コース」の6つのコースがあります。
今回は、人材開発支援助成金の中の事業展開等リスキリング支援コースについて、分かりやすく解説していきます。
事業展開等リスキリング支援コースとは、新規事業の立ち上げなどの事業展開や、DXやGXなどの新たな分野に必要な知識や技能を習得させるための訓練を行った場合に助成するものです。
また、事業展開等リスキリング支援コースは、令和 4年12月~令和8年度末までの時限措置です。
事業展開等リスキリング支援コースの助成を受けるための基本要件は、以下になります。
(1)OFF-JTにより実施される訓練であること
(2)実訓練時間数が10時間以上であること
(3)以下のいずれかに当てはまる訓練であること
・事業展開を実施するに当たり、新たな分野で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練(訓練開始日から起算して3年以内に実施される予定または6か月以内に実施した訓練)
・事業展開は実施しないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化またはグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合には、関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
デジタル・デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を活用して業務の効率化を図ったり、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービスやビジネスモデルを変革することです。
グリーン・カーボンニュートラル化とは、省エネや再生可能エネルギーの活用などにより、CO2などの温室効果ガスの排出をゼロにすることです。
事業展開等リスキリング支援コースの助成額、助成率は、以下になります。
( )内は中小企業以外の助成額・助成率
支給対象となる訓練等 | 賃金助成額 (1人1時間当たり) |
経費助成率 | OJT実施助成額 (1人1コース当たり) |
||||
賃金要件等を 満たす場合 |
賃金要件等を 満たす場合 |
賃金要件等を 満たす場合 |
|||||
事業展開等リスキリング支援コース | OFF-JT | 960円 (480円) |
- | 75% (60%) |
- | - | - |
1人1訓練当たりのOFF-JTにかかる経費助成の限度額は、実訓練時間数に応じて以下の通りです。
企業規模 | 10時間以上100時間未満 | 100時間以上200時間未満 | 200時間以上 |
中小企業事業主 | 30万円 | 40万円 | 50万円 |
中小企業以外の事業主 | 20万円 | 25万円 | 30万円 |
事業展開や、新たな分野に必要な知識や技能を習得させるための訓練を行った場合には、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースの助成金が受給できる可能性があります。
人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースについて、興味がある場合や詳しく知りたい場合などは、是非一度当事務所にご相談ください。